情報発信で笑顔を増やす 元ホストのサイバー忍者、明日マレーシアへ

こんにちは、タツノ(@tatsuno_journal)です。

サイバー忍者のてるさん(@pure_charge)への取材を記事化しました。

てるさんはこの後、マレーシアに旅立ちます。
マレーシアへ、どんな思いで向かうのか、読んでいただけたら幸いです。

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 10月7日、部屋が空っぽになった。
 日付が変わると、マレーシア行きの飛行機に乗る。初めて行く国で仕事に就く。家具や持ち物はすべて処分した。持っていくのは衣類とパソコンだけ。
 ファッションデザインで自分を表現する仕事をしたいと上京するも、一度は夢を諦めた。いくつかの会社での勤務、休職を経て、自分の方向性が明確化した。
 マレーシアで働きながら、SNSでの発信をする。
 「自分の思いを発信して誰かに影響与えたり、笑顔になってもらいたい」



高校卒業から3年後、医療機器を扱う地元企業を退職し、ファッションデザインの道を志そうと上京して専門学校の門を叩いた。
 日々身にまとう衣類には各デザイナーのメッセージが込められている。自分もその道に進みたい-。
 しかし2年後、いきなり夢は破れた。ほとんどの求人が東京で一人で暮らすには収入が足りなかった。
 派遣でネット回線のインフラ整備会社やホームページ制作会社で仕事し、夜はアルバイトでがむしゃらに働いた。努力が実り、26歳でIT大手「サイバーエージェント」のグループ会社に入社した。




 サイバーでは、「クリエイティブディレクター」として、スマートフォンのゲームアプリなどの広告を制作し、FecebookやTwitterで配信した。自分が出した広告を見てユーザーが増える。自分の出したコンテンツに反応があることにやりがいを感じた。
 一方、誰かが作ったサービスをまた誰かに届ける仕事に閉塞感を感じるようになった。このままでいいのか。迷いは大きくなり、自分の人生を見つめ直そうと今年夏には休職した。
 休職して1カ月以上、1日の大半をベッドの上で過ごした。やりたいことがわからなくなり自信をなくした。
 そんなとき、2つの転機が訪れた。
 1つはブロガーのあんちゃさんの書いた記事との出会いだった。自由な生き方でたくさんの人に影響を与えることを仕事とする姿に、これまでの価値観を一変させられた。
 「自分の発信で誰かを笑顔にしたい」
 一度は諦め、忘れかけていた夢を思い出した。
 同時期、テレビのマレーシアの特集で英語もしゃべれず特別なスキルもない歳の女の子がマレーシアで楽しそうな生活をしている姿を見た。
 「自分にもできるだろうか」
 「マレーシア 求人」で検索し、最初に見つけたところに軽い気持ちでエントリーすると数日で採用が決まった。
 翌9月、サイバーに退職届を出した。迷いはなくなっていた。



 退職後、ブログやTwitter、YouTubeでの発信を始めた。
 「自分の使えるものは全部使おう」
 発信している人が多い中、人の目を引くため試行錯誤を重ね、サイバーに勤めていたことと、専門学校時代のホストの経験を前面に押し出した。人と関わる機会が多かったため、「コミュニケーション」をテーマに発信を始めた。
 Twitterで、「コミュ障(コミュニケーション障害)」について投稿した。
 人とうまく話せない人は、自分がどう思われているか気にしているのではないか。相手に興味を持てばコミュニケーションは取れるはず。
 ツイートは拡散され、「コミュ障が治りました」という言葉も届いた。
 自分の発信で誰かを変えられる。少しずつ自信も取り戻していった。
 2カ月で少しずつ活動の幅を広げた。大企業にいた経験から、働き方や就職についての情報を出した。パラレルキャリアなど、様々なバックグラウンドを持ったゲストを招いて対談する動画も発信し始めた。
 「誰かの気付き、後押しできる活動ができれば」



 マレーシアでは電子商取引サイト(ECサイト)のサポート業務を担う会社に勤める。
 マレーシアで活躍する日本人との対談動画や、現地の物価や暮らしやすさなども発信していくつもりだ。
 日本では、いい大学を出て、就職し、結婚、マイホームと進んでいくのが〝当たり前〟だとされているように感じる。
 しかし、「多様化する社会において、前時代的」だと考えている。
 生き方に正解はない。
 〝当たり前〟から離れることへの戸惑いを抱えている人たちに「やりたいこと仕事にできないのはもったいない」と伝えたい。
 「自分の発信を通じて、自分の心に正直に生きていける人を増やしていけたら」

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【てる@サイバー忍者 プロフィール】
平成元年11月生まれの29歳。富山市出身。
11月8日からはマレーシア・クアラルンプール在住。
YouTubeでは忍者の格好で登場する。
滞在期間は決めておらず「日本でやりたいことができたら、すぐに戻るかもしれない」と話す。

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